源泉所得税の改正のあらまし~その他~

しなのサポート

2011年12月06日 14:55


平成23年6月30日付で「現下の厳しい経済状況及び雇用情勢に対応して税制の整備を図るための所得税法等の一部を改正する法律」が公布され、源泉所得税関係については、次のような改正が行われました。
(注)平成23年7月1日現在の法令に基づいて作成。

国税庁「平成23年7月源泉所得税の改正のあらまし」

8 非課税口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税「日本版ISA」の施行日が2年延長され、平成26年1月1日とされました。

【制度概要】
非課税口座内上場株式等について、口座開設日から同日の属する年の1月1日以後10年内に得た次の所得については、平成24年1月1日を施行日として所得税及び個人住民税を課さないこととされていました。
※非課税口座を設定しようとする年の1月1日において、20歳以上の居住者又は国内に恒久的施設を有する非居住者に限ります。
※口座開設日X1年X月X日の場合X10年12月31日まで


「非課税口座内上場株式等」金融商品取引業者等の営業所に開設した非課税口座内で管理される上場株式等

イ 非課税口座内上場株式等に係る配当等
※非課税口座が開設されている金融商品取引業者等を経由して支払を受けるものに限ります。
ロ 非課税口座内上場株式等の金融商品取引業者等への売委託等による譲渡所得等
「非課税口座」H24~26年までの各年に所定の手続により設定された口座(1人につき1年1口座に限ります。)をいいます。

非課税口座の開設に必要な手続は平成23年10月1日からできることとされていました。

【改正内容】
今回の改正により、施行日が2年延長され、平成26年1月1日から適用することとされました。
これにより、非課税口座の設定に係る期間が「平成26年から平成28年まで」に変更され、非課税口座の開設に必要な手続は平成25年10月1日からできることとされました。


9 特定寄附信託の信託財産につき生ずる利子等については、所得税を課さないこととされました。
H23.6.30以後に締結する特定寄附信託契約に基づく信託財産の利子等について適用。

特定寄附信託契約に基づく信託財産の公社債若しくは預貯金の利子又は合同運用信託の収益の分配で一定のものについては、特定寄附信託申告書の提出等を要件として、所得税を課さないこととされました。
※上記寄附により非課税となった利子等に相当する金額分は、寄附金控除及び寄附金の特別税額控除の対象とはなりません。

この改正は、平成23年6月30日以後に締結する特定寄附信託契約に基づき設定された信託の信託財産につき生ずる利子等について適用されます。

「特定寄附信託契約」居住者が、信託会社との間で締結したその居住者を受益者とする信託契約で、その信託財産を特定寄附金のうち民間の団体が行う公益を目的とする事業に資する一定の寄附金として支出することを主たる目的とすること等の要件が定められているもの。


10 非居住者又は外国法人が支払を受ける振替公社債の利子非課税の特例について、適用手続の整備等が行われました。
振替公社債利子の計算期間初日がH23.6.30以後のものについて適用。

【制度概要】
非居住者又は外国法人が、特定振替機関等又は適格外国仲介業者から開設を受けている口座において、その特定振替機関等の営業所等又は適格外国仲介業者の特定国外営業所等を通じて振替記載等を受けている振替国債、振替地方債又は特定振替社債等(以下「振替公社債」といいます。)につき支払を受ける利子については、非課税適用申告書の提出等を要件として、振替公社債の所有期間に対応する部分について所得税を課さないこととされています。

【改正内容】
イ 外国の法令に基づいて設定された信託で退職年金等信託に類するもの(受益者等課税信託に該当するものに限ります。)のうち、「外国年金信託」の信託財産につき生ずる振替公社債利子については、その外国年金信託の受託者が支払を受けるものとして、上記制度の適用を受けることができることとされました。
ロ 非居住者又は外国法人が民法に規定する組合契約等に係る組合財産又は受益者等課税信託(外国年金信託を除きます。)の信託財産に属する振替公社債につき支払を受ける利子については、従前の要件に加え、組合等届出書及び組合契約書等の写しの提出等の要件を満たした場合に限り、上記制度の適用を受けることができることとされました。

これらの改正は、振替公社債利子の計算期間初日が平成23年6月30日以後のものについて適用されます。


11 外国金融機関等が支払を受ける債券現先取引に係る利子非課税の特例について、適用対象取引等が追加されました。
H23.6.30以後に開始する債券現先取引等につき支払を受ける利子について適用。

【制度概要】
外国金融機関等が、一定の債券に係る債券現先取引(債券の買戻又は売戻条件付売買取引で一定の要件を満たすものをいいます。)につき、特定金融機関等から支払を受ける利子については、一定の要件の下で所得税を課さないこととされています。

【改正内容】
イ 債券現先取引に加え、一定の有価証券に係る証券貸借取引(現金又は有価証券を担保とする有価証券の貸付け又は借入れを行う取引で一定の要件を満たすものをいいます。)につき、特定金融機関等から支払を受ける一定の利子についても、所得税を課さないこととされました。
ロ 適用対象となる債券に、次のものが追加されました。
1 振替地方債
2 振替社債等
※その利子の額が発行者又は発行者の特殊関係者に関する一定の指標を基礎として算定されるものを除きます。
3 上場株式その他これに類する一定のもの
※証券貸借取引において用いる場合に限ります。
これらの改正は、平成23年6月30日以後に開始する債券現先取引又は証券貸借取引につき支払を受ける利子について適用されます。


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